アトリエドワーフの生き物ブログ

生き物好きの生き物に関するブログです。

生き物散歩 国立科学博物館 特別展「昆虫」

今回は国立科学博物館で開催されている特別展「昆虫」へ行ってきました。

 

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入場料は当日券大人一人1,600円です。

 

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会場へ入ると、音声ガイド貸出(有料:550円)の受付があり、まずは「昆虫とは」というテーマで展示がはじまりました。

 

先へ進むと…

 

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二ホンミツバチの約200倍模型、ヒトスジシマカの約240倍模型、オオクワガタの約30倍模型、オオムラサキの約30倍模型、ミンミンゼミの約45倍模型と、日本で見られる昆虫たちの巨大模型が現れました。

模型の手前には標本が展示されており、実際の大きさと比べてみることができます。

 

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昆虫がこの大きさだったら乗れるなぁと思う一方、この大きさのヒトスジシマカに血を吸われたら、それこそマンガやアニメに出てくる、人から養分を吸い取る系の敵キャラに吸い取られたときのようにシワシワになってしまったりするのだろうかと考えると、怖ろしくもあります。

 

模型はありませんでしたが、昆活マイスターの香川照之氏推しの肉食のカマキリなんかがこのサイズで潜んでいたら、迂闊に森になんかいけなくなりますね。

 

なんて考えながら先へ進むと、昆虫年表の展示がありました。

 

昆虫年表によると、ジュラ紀には現生の昆虫のほとんどの目(もく)が出揃っていたらしいです。ジュラ紀といえばステゴサウルスブラキオサウルスがいた頃です。そんな頃から現存する昆虫たちの祖先が出揃っていたんですね。年数にすると1.5億年前とかって時代です。もはや数字で年数を表しても全然ピンときませんね。

  

 

昆虫年表の下には、はるか昔に存在していた蜻蛉(トンボ)の祖先、メガネウラの復元模型や昆虫の化石、虫入り琥珀の展示がありました。

 

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化石もそうですが、虫入り琥珀なんか見つけちゃったときには、その中身が分かるまでドキドキワクワクがとまらないでしょうね。

 

その瞬間を残したものとしては写真が思いつきますが、ある意味写真より情報量が多く、その瞬間を残したもの、というよりその瞬間を閉じ込めたもの、しかもそれは自然が生みだしたものと考えると、形状からしてもタイムカプセルと呼ぶにふさわしいロマンの塊ですね。

 

 

メガネウラは翅を広げると70㎝にもなるらしく、蜻蛉(トンボ)の祖先だから肉食と考えると、下手すれば人も捕食対象になっていたかもしれません。もし現存していたらトップクラスの危険生物になっていたでしょうね。

 

 

展示はまだ序盤ですが、昆虫というテーマはいろいろと考えさせられます。

 

続いては「昆虫の多様性」というテーマです。

 

ここでは、関東近辺、沖縄、アマゾン地域という異なる3つの自然環境を、さらに人家周辺や流水域などの昆虫の生息環境に分けて、どんな環境にどんな昆虫が生息しているのかを比較できる形で、動画と標本が展示されています。

 

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こういった形で見比べてみるのもなかなか面白いです。

環境の特徴とそこに生息している昆虫の特徴をじっくり観察すると、新しい発見があるかもしれません。

 

先へ進むと、特徴のある様々な昆虫の標本が展示されていました。

 

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やはり個人的に目を引いたのは美しき蝶(チョウ)たちです。

甲虫もなかなかキレイでした。

 

バリエーションに富んだ姿かたちをしているツノゼミたちも、じっくり見るととてもおもしろいです。

 

実物は本当に小さいですが、大きめの画像がついており、わかりやすくなっています。

 

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ツノゼミの35倍模型もありました。

 

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その先には、閲覧注意と書かれた「Gの部屋」なるものが。

 

「G」って何って?

 

それは、日本人であればそのほとんどがある意味自然に、小さい頃から嫌悪の対象として認識してきたであろう黒い生き物です。あえて名前をいわずとも、もうおわかりでしょう。そう、きっとあえてのGなのです。でもその嫌われっぷり故に、認知度は抜群です。昆虫に全く詳しくない・興味のないという人で、カブトムシクワガタの違いがわからなくても、それらとGとは見分けられるって人もいるのではないでしょうか。クワガタのメスなんかは他と比べればGっぽいといえなくもないにもかかわらずです。Gかそれ以外かで判定がなされるといっても過言ではないかもしれません。

 

見た目は結構違いますが、近年人気を博したマンガの「テラフォーマーズ」で見慣れた、耐性がついたという人もいるかもしれません。

 

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「Gの部屋」へ突入すると、なんとこの特別展の中でもほんのわずかしかいない生体の展示が、よりにもよってこのGでされています。しかも3種。

 

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このチョイスはあえてなのでしょうか。それとも環境に影響されにくく、死ににくい(タフ)という点でのチョイスなのでしょうか。

 

いずれにしても国立科学博物館、なかなかやりよります…

 

怖いもの見たさなのか、実際にはそれほど嫌われていないのか、結構普通に見ている人が多いように感じました。まぁ、ケースに入っている上に、さらにガラス越しとくれば、見るだけならなんちゃないですね。

 

 

そして、カマキリファンの方にはちょっと残念な情報かもしれませんが、実はGカマキリと近しい間柄にあるとか。

 

昆虫の系統表をみても、トーナメント表で例えるところのゴキブリ目とシロアリ目の1回戦の上にあるシードのような位置づけにカマキリ目がいます。特徴もかなり似ているとか。

 

そのあたり、昆虫マイスターでカマキリ推しの香川照之氏に意見を聞いてみたいところですね。音声ガイダンスではそのあたりの意見を言っていたりするのでしょうか。次回は音声ガイダンス借りてみますかね。

 

ここではちょっとGを否定し過ぎたかもしれません。

G好きの方、すみません。

 

 

先へ進むと、次のテーマは「昆虫の生態」です。

  

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食性(食べ方)の違いに応じた口に相当する部分の構造の解説や外敵に対する戦略・戦術などが解説されています。

 

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全体的な解説はどうしても漢字が多く、小さい子供にはわかりにくい部分もあるかもしれませんが、社会性昆虫の生態を紹介した4コマ漫画なんかもあり、ところどころで子供にもわかりやすいよう工夫がされているようでした。

 

でもテーマ柄、結構子供が多いので全体的にもう少し展示の位置を下げてもよかったように思います。まぁでもそうすると、混んでるときは後ろからは見えなくなってしまいますから、そのへんは難しいところなのかもしれません。

 

 

展示はまだまだ続きます。続いてのテーマは「昆虫の能力」。

 

実際に昆虫の視覚や反応を調べるために行われた実験の様子や最新の研究内容などが展示・解説されています。

 

においや振動など実際に体感できるものもあり、楽しみながら最先端の研究に触れられるようになっています。

 

3D映像の方は撮影禁止でしたが、こんなものまで。

 

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このエリアは研究内容ということもあってか、撮影禁止の展示が多かったので、興味のある人はぜひ実際に足を運んで、じっくり見てみてください。それなりに楽しめます。

 

 

続いてのテーマは「昆虫研究者の仕事」。

 

実際に捕獲する際の様子や装備、トラップなどが展示・解説されています。

私は捕獲には興味がないので、さくっと見て先へ進みます。

 

標本の作り方の展示エリアを抜けると、圧巻の標本コレクションの展示エリアが現れました。

著名な?採集家・収集家たちの標本コレクションがズラリと並んでいます。

 

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これだけの昆虫を実際に捕獲し、標本コレクションとしてキレイに保存・管理してきたということを考えると、好きこそなんとやらではないですが、本当に好きでなければここまではできないだろうなぁと思わされます。

 

それぞれの作者がどんな想いからこれをはじめて、どんな想いを抱きながらこれを構築し、どんな想いで終わりを迎えたのか。

 

これだけやってても、まだまだ全然やり足りないと思っていた人もたくさんいるんだろうなぁ、いやむしろ、そういう人がほとんどで、これくらいやれる人たちに終わりなんてないのかもしれないなぁと感じさせられました。

 

この特別展「昆虫」の解説にもありますが、昆虫は知られているだけで約100万種。

まだ発見されていないものまで含めれば、その数は未知数です。とても一人の人間の一生でどうこうできる数ではありません。それゆえに研究や収集を行うには、分類や条件によって対象をしぼり込んでいく必要性が出てくるのかもしれません。

 

もし、AIや今後出てくる新たな技術を活用して、この地球上の全生物を洗い出すことができる日がくるとしたら、それはいつ頃で、その結果はどんなものになるのか、見てみたいものですね。まだ見ぬ美しい生き物もいるんだろうなぁ。一方で、新種発見の可能性が完全に0になってしまったら、それはそれで一つのロマンが失われる、世界がつまらなくなってしまう気もしますね。

 

今後は温暖化の影響で、今まで以上のスピードで絶滅に追い込まれる生き物がでてくるかもしれません。そう考えると、最も多くの生物種が同時期に存在していた時代はいつ頃で、その時代の環境、最も生命が繁栄を極めた環境というのはどういったものだったのか、それを評価するにあたっての条件の定義が難しそうですが、環境の最適解みたいなものがあるとすれば、それはどんなものになるのか、興味がわきます。

 

そんなことを考えながら進むと、この特別展「昆虫」の目玉の一つでもある、国の天然記念物ヤンバルテナガコガネのホロタイプ標本の展示が現れました。

 

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ホロタイプ標本は新種1種につき、1点しか存在しないというとても貴重なものです。

ヤンバルテナガコガネに興味のある方は、この機会に拝みにいきましょう。

でも一度でいいから生体に出会ってみたいですね。

 

こんな感じで、メイン?の展示エリアが終わりました。

音声ガイダンスも多分このあたりで返していたようです。

 

 

でもまだ展示は続くようです。

エスカレーターをあがって第2会場へ向かいます。

 

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途中の通路では、昆活マイスターの香川照之氏のポスターパネルと記念写真を撮れるコーナーがありました。その向かいにはジャポニカ学習帳の展示もありました。

 

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第2会場では昆虫研究のこれからと称して、昆虫研究の歴史や未来、それらを応用したモノづくりが紹介されていました。

 

他には、ディスプレイで見る3D昆虫や香川照之氏考案の昆虫愛企画コーナーがありました。

 

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最後にショップで記念として公式図録(税込2,000円)を買いました。

実際に訪れることは難しいという人は、通販でも購入が可能なようです。一部を除けば、展示と同様の内容を見ることができます。

 

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オリジナルガチャとして缶バッチがありました。

 

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生体の展示はほぼないだろうことはわかっていたので、どうだろうと思っていましたが、見ごたえ十分でとても楽しめました。私は2時間ちょっといたみたいです。

 

それにしても昆虫というテーマは本当にいろいろと考えさせられます。

この地球上で最も数が多く、そんな認識はない人がほとんどでしょうが、数という意味では大繁栄している昆虫。

 

G同様に昆虫というくくりで気持ち悪いという方も少なくないですが、その美しさや様々な特徴を見てみると、他の生き物とは一線を画す魅力・面白さがあります。

 

この特別展「昆虫」は、生体の展示がほとんどないだけに、逆に動くことによるワシャワシャ感も少ないかもしれません。

昆虫の好き嫌いにかかわらず、ちょっとでも興味をもっていただけた方は、ぜひこの機会に実際に訪れ、昆虫の持つ魅力・面白さに触れてみてはいかがでしょうか。

 

以上、生き物散歩 国立科学博物館 特別展「昆虫」 レポートでした。